【デンマーク記録】クリスマスプレゼントの闇

2017年は私が初めてデンマークで過ごすクリスマス(Jul、ゆうると読みます)。

23(土)24(日)というカレンダー、12月に入るともう、アドベントキャンドルを灯してクリスマスクッキーを焼いてクリスマスの準備が始まる。
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24日はピアの姉家族、ピアの古い友人オーレを呼んでユールアフテン(クリスマスディナー)なので、23日と24日の昼間はの準備で大忙し。22日はピアは仕事を休んで買い物に。
デンマークのクリスマスは3日間つづく。24日に始まり25日は日本でいう元日のようで、26日は「クリスマスの最後の日」。この日にはごちそうにみんな飽きている。日本のお正月とほぼ一緒だな…
 
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23日はみんな朝寝坊で、11時くらいまでゆっくりしていた。でも、たぶん小さい子どもがいる家は朝から準備で大忙しなんだろう。
23日の私の仕事は三女アウネスと一緒にKonfekt(お菓子)づくり。Konfektというのが、マジパンにチョコレートをかけてナッツをまぶすというものなのだけど、マジパンが嫌いだとは最後まで言えず、職人に徹する。
デンマークのスーパーにいっぱい売ってるマジパンバー、誰がどんな用途で使うねんと思っていたらこういうことか。粘土のようになっていて、丸めてボールを作っていく。チョコレートとヌガーを溶かし、マジパンボールを浸して、砕いたナッツ類(ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、アーモンドなど)をまぶす。
※マジパン苦手な日本人は結構多くて、一度日本人の集まりで話題になったことがある。「私たちにとってのマジパンは、デンマーク人にとってのあんこである」という結論に至って納得&和解(?)。
 
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24日の朝に「クリスマスおめでとう」の挨拶をするのがふつう。
24日の朝ごはんはミルク粥、リースアラマンド(Risalamande)を食べるのが伝統(みんな勝手にヨーグルト食べてたけど)。
 
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その日朝起きて、「デンマークの友達のFacebookで、子どもたちへのプレゼントの写真を見てびっくりした」ということをピアとヤンに報告した。ひとりの子どもに、親や親戚から山ほどのプレゼントが届くのだ。
するとピアとヤンは、「だからこそ自分たちはプレゼントをやめたのだ」と。このうちの半分はお店に持って行って交換される運命にあるのだし…と。
そしてピアが言っていた、「私たちの子どもたち(三姉妹)はあんまりプレゼントが多すぎて疲れてしまって、泣き出しそうだったこともあった」という言葉に、なんというか、クリスマスの闇を感じる…
 
ピア曰く、子どもたちは「プレゼントをくれた人たち全員の”自分のプレゼントを開けて喜ばれる権利”を尊重しなければならない、と肌で感じるのだという。
そしてそこにはいわゆる複雑な家庭環境も影響している。離婚が多い国、デンマーク
新しいパパと一緒に過ごすクリスマスに、前のパパや前のパパの家族からのプレゼントを受け取って、嬉しいけれど気を遣う…もしくは、「離婚の贖罪のためとでもいうように」たくさんのプレゼントを送ってくる親もいるそうだ。
世界で一番幸せな国(といわれる)デンマークに暮らす子どもたち、それって本当に幸せなのかしら…このプレゼント問題、豊かな国の子どもたちに潜む問題を端的に表しているような気がした。デン日比較をするにあたって象徴的なエピソードになるかもしれない。
プレゼントがもらえない子ども、貧困でクリスマスのごちそうが食べられない子ども、彼らのことを考えてみなさい…とは、デンマークの子どもたちに言う気にはならない。彼らは彼らの事情で苦しんでいるのだなあ、ということがよく分かるから。
 
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